アメリカ生まれ

2人の言語学者

「哲学」という学問にいちばん最初に手を付けたのは誰でしょうか?それは、もはや歴史に残っていないデータです。
数学も、文学も同じです。誰が始めたのか。その人の名前は何か。どこから発想したのか……それらは歴史の向こう側にあります。
私たちは、今私たちが当然のように本を読み、学校で学んで知ることが出来る学問の祖が誰か、本当のところは知ることが出来ないのです。
ただ、nlpという現代的な学問に関しては、誰がどのような事情で生み出したものか分かっています。
時は、1970年代。場所はアメリカ合衆国。カリフォルニア州の大学、カリフォルニア大学で言語学を教えていた助教授であったジョン・グリンダー、そして学生のリチャード・バンドラー。
若き言語学者2人がその祖であることが分かっています。nlpとは、アメリカの若者によって考案され、確立された学問だったのです。

時代の必然

nlpとは、アメリカの言語学者が作ったもの。ただし、もっと正確に言えば、nlpとは、アメリカの言語学者2人が、何人かのセラピスト(心理療法士)の技術をもとに作ったもの、です。
当時、1970年代、アメリカはベトナム戦争のなし崩し的な敗北に打ちひしがれつつあった時代でした。あれはアメリカにとって完全に失敗した戦争であり、多くの人が傷ついただけで終わってしまった悲惨な戦争だったのです。
その中で最も傷ついたのは、もちろんベトナムの地で兵士として戦った若者たち。彼らは戦場で傷ついた心を癒すのに苦労し、当時のアメリカのギスギスした世相もさらに心を疲弊させるのに拍車をかけました。
そんなときに活躍していたのが、さまざまな心理療法を行うセラピストたちで、彼らが療法の際に口にする「言葉の使い方」に、カリフォルニア大学の言語学者たちはnlpのヒントを得たのです。
nlpとは、そういう経緯で生まれたものでした。傷ついたアメリカを癒す、心理療法の言葉から。nlpとは、時代の必然として生まれた学問だったのです。